女子ゴルフツアー ウォルマートNWアーカンソー選手権最終日 ( 2026年9月27日、 米アーカンソー州ロジャース、ピナクルCC=6438ヤード、パー71、賞金総額300万ドル=約4億3743万円 )
西村優菜(26)が米女子ツアー挑戦4シーズン83戦目にして、ついに悲願の初優勝を飾った。
初日63でいきなり首位。2日目も63で回り通算16アンダーで5打差の単独首位から出た最終日は、出足からプレッシャーに苦しんだ。出だしの1番ティーショットをいきなり右の林へ大きくプッシュアウト。いきなり大ピンチに直面し、2打目もグリーン手前のバンカー近くまで出してくるのがやっとだった。
ライも悪くアプローチも厳しい状況だったが、ここで運も味方する。この日は朝から雨で、プリファードライが適用されていたことから、パターでアプローチできる場所までボールを移動させることができ、1メートルに寄せてパーを拾った。
2番、チャンスのパー5でも3打目をグリーンオーバーさせて1パットのパー。3番パー3はハイブリッドの5番で1メートル弱につけてバーディーを先行させたものの、続く4番でボギーを叩き、6番では3パットのボギーで15アンダーに後退した。
8番グリーン上で後続グループの猛攻を知る。インのトップスタートで最終組のすぐ後ろを回る岩井明愛が猛チャージ。16ホール目の7番でバーディーを奪い16アンダーで単独首位に立っているのを、グリーンサイドのリーダーボードで確認した。
「これは決めなければと思った」という1.5メートルのバーディーパットをしっかり沈め、西村も16アンダーに伸ばしトップタイに再浮上した。自ら重苦しいムードを吹き払ったのは11番のパー3。グリーン右のバンカーから直接カップに放り込むバーディーで、単独首位の座に返り咲く。14番パー5では2オンに成功し、3メートル強のフックラインを読み切りイーグル奪取。通算19アンダーまでスコアを伸ばして独走態勢を固めた。
15番では2メートル弱につけあっさりとバーディーを奪うと、最終18番パー5でも2オンに成功し2パットのバーディー。大会最少スコアに並ぶ21アンダーに到達した。
ここまでの道のりは、決して平坦とは言えなかった。2019年に日本のプロテストに合格した西村は、翌年の樋口久子・三菱電機レディースで初優勝。さらに翌年のサロンパス・ワールドレディスでメジャー初制覇を飾るなど、国内ツアーで6勝を挙げ、23年から米ツアーに挑戦したが、ここからがイバラの道。
次から次へと挑戦してくる選手たちに米ツアー初Vの先を越され、3年目の昨季はポイントランク115位でシード落ちし、QTに再挑戦して出場権を確保した。今季も苦戦が続き、今大会前のCMEランクは103位と、来季のシード獲得が苦しい立場に追い込まれていた。
しかし終盤の今大会で劇的なツアー初制覇。長年の苦労を知るツアー仲間である畑岡奈紗、勝みなみ、渋野日向子を始め山下美夢有、原江莉花、馬場咲希らがシャンパンを持ちより祝福を準備。ホールアウトした西村へと次々に駆け寄りウォーターシャワーで祝福した後、グリーン奥のラフでは豪快なシャンパンシャワーを全身に浴び、そのままラッパ飲みして美酒に酔った。
次週の舞台はハワイ。「結構スタートが早い選手もいたと思うし、移動もあると思うんですけど、待っていてくれて、すごい嬉しかったです」と感謝の言葉を口にした。
4年目にようやくたどり着いた優勝だけに、感激もひとしお。「前半は結構苦しかったんですけど、やっと勝てたなっていう感じです。特にこの2年間はすごい苦しかったので、良かったなと思います」。
スタートから数ホールは明らかに表情が硬く、極度のプレッシャーに襲われていたのは明らかだった。「1日が長くてずっと緊張していたんですけど、キャディさんがずっと喋ってくれましたし、いい流れでプレーできていて、諦めずに最後まで攻めきれた」と長い1日を振り返った。
これまでの米ツアー生活も振り返り「アメリカ来てからなかなかいい成績が残さなかったんですけど、ずっと応援してくれている方々がたくさんいて、本当に幸せだなって思いますし、やっといい報告ができたので良かったと思います。これからも頑張るので、引き続き応援よろしくお願いします」とファンへの感謝の言葉で締めくくった。
努力は人を裏切らない。西村の優勝は、結果が出ずともあきらめずに努力を続ける選手たちへの、強烈なメッセージとして伝わるに違いない。
